寿司AIガリオ

ガリオで遊んでみた その1

エンターキーを押すごとに寿司がもらえる人工知能をつくった

藤原麻里菜

こんにちは。無駄なものをつくっている藤原麻里菜です。
私は、5年ほど前から「無駄づくり」ということをしており、地球の大切な資源を使って、歩くたびに「インスタ映え台無しマシーン」や「札束で頬を撫でられるマシーン」などをつくっています。

札束で頬を撫でられるマシーン
▲札束で頬を撫でられるマシーン

こんな“無駄”を5年間で合計200個以上つくってきました。結構やばい人生ですよね。

ところでIBMが提供している「IBM Watson」をご存知でしょうか。質疑応答ができる人工知能的なやつなのです。なんでも、人間が日常的に使う自然言語を学習して理解し、お役立ちしてくれるらしいです。
このWatsonを使って、おもろいチャットbotをつくった。と、日本IBMより連絡がきました。

寿司AIチャットボット。その名も「ガリオ〈Gario〉」。

ガリオ

ガリオのお手並み拝見

「寿司について知らないことはない」と豪語していますが、本当でしょうか?人工知能のお手並み拝見といきましょうか……。

ガリオ トーク画面

お金がほしいと聞いてみたところ、のらりくらりとかわされてしまいましたが、このように日常会話をすることもできるようです。私は割とコミュニケーションが苦手なタイプなのですが、相手が人工知能だとナメてしまっているのか、横柄な態度になっていますね。

ガリオは、3つの技を持っているようです。まず1つめは、「心握り寿司」。
その時の気分を知らせると、ぴったりの寿司を提案してくれるものです。試しに「つらい」と送ってみると……。

心握り寿司

トロをお勧めされました。人間を分かってる……。

2つめの技は、「寿司スキャン」。
なんでも、寿司の画像を送るとその種類を見分けてくれるそうです。
渾身の寿司画像を送るぞと思ったのですが、手が滑ってスーパーで購入した最高なお惣菜の画像を送ってしまいました。

寿司スキャン

ウナギだそうです。そう思うと、これはウナギかもしれませんね。

そして最後は、「AI創作寿司」。ガリオに「創作寿司」とメッセージを送ると、いまだ人類が到達していない寿司を提案してくれるそうです。

創作寿司

出身地を聞かれたから答えたのに、なぜか隣の都の名物と絡めた寿司を提案してきました。え、ちょっと怖いです。

すごいような気もするのですが、これ、全く人の役に立たないと思いませんか? ていうか「ガリーゼント」ってなんすか? ナメてるんすか? 消費者のことナメてるんですか? あ?
もっと人の役に立つことに人工知能を使ったほうがいいのではないでしょうか? 仕事を効率化させるような、そんな寿司AIをつくれないでしょうか? 心の中の良心が暴れ出しました。

しょうがない。私のこの天才的な力で、仕事を効率化できる人工知能をつくってやろうじゃないの……。腕まくりをし、100円ショップに駆け込みました。

「SKYBS-2R」をつくったよ

SKYBS-2R

そして完成したものが、こちら。SKYBS-2Rです。
これはゴミじゃありません。仕事を効率化できる人工知能なんですよ。もう一度言いましょう。仕事を効率化できる人工知能なんです。

SKYBS-2R
エンターキーに雑につけたボタンを押すと

SKYBS-2R

サーボモーターが動いて、寿司を挟んだ箸が180度回転します。

そう、これは、“エンターキーを押すと寿司が貰えるマシーン”なのです。
仕事をしていると、ご褒美がほしくなりますよね。そんなとき、このマシーンを使えば、エンターキーを押すごとに寿司が貰えるので、仕事が捗るのです。分かりましたか? もう一度説明しましょうか?

そして、全てはすごい寿司職人の意思を継いだ脳みそで動いています。

SKYBS-2R

「Watsonも人工知能も使ってないじゃん」そう思った人もたくさんいるでしょう。
IBMには大変申し訳ないのですが、ご覧の通り私はWatsonを使わなくても人工知能をつくりだすことができるのです。
考えてみてください。私の手によってつくられた脳みそです。そしてこのビジュアル。どこからどう見ても人工知能です。あ? なんか、文句あんのかオラ。あるなら直接言ってこい。

実際に使ってみよう

SKYBS-2R

それでは、寿司をセットして使ってみましょう。人差し指を振りながら「不衛生〜」と言う声が聞こえる気がしますが、無視します。

SKYBS-2R

いつも通り仕事をします。
カタカタ……。
「よし。オンラインゲームの会員登録の項目を全て入力し終わったぞ」

SKYBS-2R

エンターキーをターン!

SKYBS-2R

ギュイーン。

SKYBS-2R

もぐもぐタイムです。
エンターキーを押すごとに、寿司がもらえる。それだけで、仕事を頑張ろうという気になれますね。
この調子で、どんどん作業をしていきましょう。

SKYBS-2R

SKYBS-2R

SKYBS-2R

私の心の中に微かに残っている良心が「食べ物で遊ぶな」と叫んでいたのですが、やっぱり、ご褒美で食う寿司は美味い。

SKYBS-2R

寿司と心を合わせないと食べることができなかったりもします。
これはもはや、“食”ではなくて、寿司と心を合わせる“競技”かもしれませんね。社交ダンスのような。

SKYBS-2R

すると「私が寿司を食べたいと思っているとき、寿司もまた私に食べられたいと思っているのだ」というニーチェの言葉の通り、すぐに心を合わせることができました。

この撮影が終わった後、もちろんSKYBS-2Rはパソコンから外し押入れの奥に閉まったのですが、条件反射は残り、エンターキーを押すと“寿司”が頭に浮かびます。これが、パブロフの犬か……。でも、犬ってキュートだから嬉しいな。

持ち運び用に「SSDKR-NRT」もつくったよ

SSDKR-NRT

SKYBS-2Rは、かさばるため、持ち運び用にコンパクトなSSDKR-NRTもつくってみました。これは、エンターキーを押すと……。

SSDKR-NRT

寿司が……。

SSDKR-NRT

せり上がって……。

SSDKR-NRT

せり上がって……。

SSDKR-NRT

それだけです。
ただただ、寿司がせり上がるだけのマシーンです。なんか癒されるかなあって思って。

おわりに

おわりに

IBMには申し訳ないですが、100円ショップにあるものなどでガリオを超えるSKYBS-2R を制作することができるようになりました。もしかしたら、私がWatsonなのかもしれませんね。

ただ、この私が制作したSKYBS-2Rですが、「毎回寿司をセットしなくてはいけない」「不衛生」「人間が機械に合わせなくてはいけない」「ディストピア感がすごい」「寿司に失礼」と、あげたらキリがないほど、ネガティブな面も持ち合わせています。
いやでも、人間の知能が完全なんてありえないのですから。そういう点も含めて“人工知能”なのではないのでしょうか。

日本IBM 佐藤さん

「いや、それは人工知能とは言えませんね」

そ、その声は! 日本IBMの佐藤さん!

「人工知能の定義というのは、機械による自然知能のシミュレーションであり、藤原さんの制作したSKYBS-2Rはその定義に当てはまりません。大変申し訳ないのですが、このマシーンは、人工知能ではありませんね」

そんな……。ちなみに、佐藤さんは寿司では何が一番好きですか?

日本IBM 佐藤さん

「私は、貝の寿司ならなんでも好きですね」

なるほど。ということで、私が作ったSKYBS-2Rは人工知能ではないそうです。しかし、私は信じません。私がつくり出した知能だから。誰がなんと言おうと、これは人工知能だ。

人工知能(?)

ただ、人工知能を使ってガリオみたいに会話ができるチャットbotをつくりたかったり、私のように100円ショップの粘土でつくった脳みそを「人工知能です」と言い張る勇気がなかったりする方は、IBM CloudのWatsonを使ってみてください。
ちょっとしたデータから、すぐに人工知能を使った便利なチャットボットなどを制作することができるようです。

最後に、ガリオにこのマシーンの写真を送ったところ、

ガリオ

見事、正解しました。やるじゃん……。

この記事を書いた人
藤原麻里菜